ヘクトパスカルとは?台風や気圧の単位がミリバールから変わった理由

台風が日本に近づくと、気象情報で、

「中心気圧は何ヘクトパスカルです」

といった発表が行われます。

そもそも、このヘクトパスカルとは一体何のことでしょうか?

また、かつて気圧の単位には「ミリバール」が使用されていましたが、「ヘクトパスカル」に変更されたのは、どういった理由からでしょうか。

今回は、この二つの謎について明らかにしていきます。

2019年12月9日18時の実況天気図
「実況天気図」(気象庁ホームページより)

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ヘクトパスカルとは?台風や気圧の単位がミリバールから変わった理由

ヘクトパスカルとは?

ヘクトパスカルを解説する前に、まず”パスカル”について理解していきましょう。

パスカルとは圧力の単位で、記号は [Pa] です。

圧力とは、単位面積あたりに働く力のことで、

\( 圧力[Pa] = \displaystyle \frac{力[N]}{面積[m^2]} \)

という式で計算することができます。

このパスカルという単位は、フランスの物理学者、ブレーズ・パスカルにちなんだものです。

「人間は考える葦(あし)である」

といった名言や、二項定理の「パスカルの三角形」、

「流体に加わった圧力は他のすべての部分に同じ大きさで伝わる(パスカルの原理)」

で有名な人物ですね。

ブレーズ・パスカル(大)

そして、パスカルの前に付いている“ヘクト”は単位の接頭辞で“100倍”を表しています。

小学校の時、面積で”ヘクタール”という単位があったのを覚えているでしょうか。

\( 1[ha] = 100[a] \)で、”ヘクト[h]”+”アール[a]”で”ヘクタール[ha]”です。

これは、圧力の単位にも同じ関係が当てはまりますので、

\( 1[hPa] = 100[Pa] \)

となります。

このように、”パスカル”はあくまで圧力の単位なのですが、

“ヘクトパスカル”が気圧(空気の圧力)ぐらいでしか用いられないため、

「ヘクトパスカル=気圧の単位」と考えて差し支えありません。

なぜ気圧の単位がヘクトパスカルからミリバールに変わったのか?

次に、気圧の単位が”ミリバール”から”ヘクトパスカル”に変わった理由を見ていきましょう。

これを理解するには、「国際単位系(SI)」について知る必要があります。

国際単位系(SI)

国際単位系(SI)とは、メートル法の後継として、国際的に定められた単位系のことです。

SIでは、

(1) 長さ → メートル[m]
(2) 質量 → キログラム[kg]
(3) 時間 → 秒[s]
(4) 電流 → アンペア[A]
(5) 熱力学温度 → ケルビン[K]
(6) 物質量 → モル[mol]
(7) 光度 → カンデラ[cd]

の七つを基本単位とし、これらの組み合わせで色々な単位を表現します。

ミリバールとは?

“バール”は”パスカル”と同じく圧力の単位で、記号は[bar]です。

バールは、1[atm]=1[気圧]にできるだけ近い値になるように定められており、

\( 1[atm] = 1.01325[bar] \)

となっています。

このバールに”1000分の1″を表す接頭辞“ミリ[m]”を付けたものが“ミリバール[mbar]”であり、

\( 1[atm] = 1.01325[bar] = 1013.25[mbar] \)

という関係が成り立つわけです。

\( 1[g] = 1000[mg] \)

と同じですね。

気圧の単位が変わった理由

それで、なぜ気圧の単位が”ミリバール”から”ヘクトパスカル”に変わったかというと、

「計量法」という計量の基準を定めた法律が改正され、1992年12月より、国際単位系(SI)の”パスカル”を使用することになったからです。

SIでは、

・キロ[k] = \(10^3\)
・メガ[M] = \(10^6\)
・ギガ[G] = \(10^9\)

などの「10の、3の倍数乗」の接頭辞を使うことを推奨しています。

そのため、気圧の単位も、初めは”キロパスカル[kPa]”を採用する予定でした。

ところが、

\( 1[atm] = 1013.25[mbar] = 101.325[kPa] \)

となるので、[kPa]を使おうとすると、これまで用いてきた[mbar]をすべて10で割らなければならなくなります。

「同じ数値を使い続けたい」

という気象関係者からの要望もあり、”ミリバール[mbar]”とまったく同じ単位である”ヘクトパスカル[hPa」”が採用されたのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

これまでの話をまとめると、

・ヘクトパスカルは気圧の単位で、\( 1[hPa] = 100[Pa] \)である。
・計量法改正により、気圧の単位が国際単位系(SI)のパスカルに変わった。
・ただし、利便性を考えて、”ミリバール”と同じ単位の”ヘクトパスカル”が採用された。

ということです。

これからは、天気予報で”ヘクトパスカル”が出てきても理解できますね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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