数年に一度、その壮大な天体ショーで私たちを楽しませてくれる日食。
2012年の金環日食のときは、私も早起きして、日食の写真を撮りました。
そのときの写真がこちら。
小さっ!
しかし、携帯に日食グラスを付けて撮影した、このしょぼい写真が、歴史的に貴重な瞬間なのです。
(次の金環日食は2030年、しかも北海道ですからねぇ…)
さぁて、今回の記事は、
・皆既日食、金環日食、部分日食の違い。
・日本で見られる日食のスケジュール(過去から未来まで)
の3本でお送りしたいと思います。(サ○エさんみたいな紹介だ…)
■ 日食とは?
日食 とは、太陽が月によって覆われ、一部が欠けて見えたり、全く見えなくなったりする現象です。
太陽と月、地球がこの順で一直線に並んだときに起こります。
このとき、月は新月(何も見えない月)の形をしていますが、新月のたびに日食が起こるわけではありません。
なぜなら、月の軌道面は地球の軌道面に対して約5度傾いているため、
太陽、月、地球の順に並んでも一直線に並ばないことが多いからです。
■ 皆既日食、金環日食、部分日食の違い
また、地球や月の公転軌道は完全な円ではなく、楕円形をしているため、
地球から見た太陽と月の大きさは常に変化しています。
さらに、月が落とす影は地球よりもずっと小さいので、日食は地球の限られた場所でしか見ることができません。
これを踏まえて、次の図を見てみましょう。
まずは、皆既日食(かいきにっしょく)から。
皆既日食は、地球から見た太陽が月よりも小さいときに起こります。
このとき、月は本影と呼ばれる影を地球に落としますが、
観測者が本影にいるときは 皆既日食(太陽全体が見えなくなる)、
観測者が半影にいるときは 部分日食(太陽の一部が欠けて見える)、
を見ることができます。
次に、金環日食ですが、
金環日食は、地球から見た太陽が月よりも大きいときに起こります。
このとき、月は擬本影と呼ばれる影を地球に落としますが、
観測者が擬本影にいるときは 金環日食(太陽が輪のように見える)、
観測者が半影にいるときは 部分日食(太陽の一部が欠けて見える)、
を見ることができます。
■ 日本の過去と未来の日食スケジュール
最後に、日本の日食のスケジュールを載せておきます。
過去は19世紀初頭から、未来は2050年までを一覧にしました。
これを見ると、いかに日食が珍しい現象なのかを実感することができます。
部分日食でも数年おき、皆既日食や金環日食だと十年単位、
さらに、関東でも観測できる日食となると、
「生きているうちに何回見られるか」
というレベルです。
日付 | 日食の種類 | 観測できる場所 |
---|---|---|
1904年3月17日 | 金環日食 | 硫黄島 |
1915年8月11日 | 金環日食 | 母島、姉島、姪島 |
1918年6月9日 | 皆既日食 | 鳥島、北大東島 |
1936年6月19日 | 皆既日食 | 北海道北部海岸沿い |
1937年12月3日 | 金環日食 | 硫黄島、父島、母島 |
1941年9月21日 | 皆既日食 | 先島諸島 |
1943年2月5日 | 皆既日食 | 北海道中央部 |
1948年5月9日 | 金環日食 | 礼文島 |
1955年12月14日 | 金環日食 | 先島諸島 |
1958年4月19日 | 金環日食 | 九州南海上、トカラ列島 |
1963年7月21日 | 皆既日食 | 北海道北東部 |
1987年9月23日 | 金環日食 | 沖縄県 |
2002年6月11日 | 部分日食 | 全国各地 |
2004年10月14日 | 部分日食 | 全国各地(南西諸島を除く) |
2007年3月19日 | 部分日食 | 北海道、中国、四国、九州地方 |
2009年1月26日 | 部分日食 | 宮古島、石垣島、西表島 |
2009年7月22日 | 皆既日食 | 奄美大島、屋久島、種子島、トカラ列島、硫黄島 |
2010年1月15日 | 部分日食 | 中部日本以西 |
2011年6月2日 | 部分日食 | 北陸以北 |
2012年5月21日 | 金環日食 | 南九州、南四国、南近畿、東海地方、関東地方 |
2016年3月9日 | 部分日食 | 全国各地 |
2019年1月6日 | 部分日食 | 全国各地 |
2019年12月26日 | 部分日食 | 全国各地 |
2020年6月21日 | 部分日食 | 全国各地 |
2023年4月20日 | 部分日食 | 九州、四国地方 |
2030年6月1日 | 金環日食 | 北海道 |
2031年5月21日 | 部分日食 | 南西諸島 |
2032年11月3日 | 部分日食 | 全国各地 |
2035年9月2日 | 皆既日食 | 能登、富山、長野、前橋、宇都宮、水戸 |
2041年10月25日 | 金環日食 | 北近畿、中部地方、伊豆諸島 |
2042年4月20日 | 皆既日食 | 鳥島(伊豆小笠原諸島) |
2042年10月14日 | 部分日食 | 鹿児島県、沖縄県 |
2046年2月5日 | 部分日食 | 全国各地 |
2046年2月5日 | 部分日食 | 全国各地 |
2047年1月26日 | 部分日食 | 全国各地 |
2049年11月25日 | 部分日食 | 全国各地 |
■ まとめ
いかがでしたでしょうか。
日食だけを観測しようとすると、長い年月を待たなければならなかったり、
遠く外国まで行かなければならなくなったりします。
ですが、月食や流星群といった他の天文現象と組み合わせれば、
毎年、何かしらの観測ができます。
是非、様々な天文現象に興味を持ってチェックされてみてくださいね。