毎年、決まった時期になると、
○○座流星群
という言葉を聞きますよね。
流星とは流れ星のことですが、似たような言葉に彗星(すいせい)があります。
どちらも尾を引いて夜空を飛んでいるイメージですが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。
また、流星群とは、そもそもどのような仕組みでたくさんの流星が見られるのでしょうか。
さらには、1年の間にどのような流星群があり、それらがピークになる日付や時間、
見るべき方角はどうなっているのでしょうか。
今回の記事では、これらの疑問に対する答えをまとめてみました。
■ 彗星とは
彗星 とは、太陽の周りを回る小天体のうち、尾を引いているものです。
大きさは、直径数十mから50kmぐらいで、主に氷や塵などでできています。
彗星が太陽に近づくと、これらの物質が蒸発し、太陽風*1によって流されます。
そのため、彗星の尾は進行方向に関係なく、太陽と反対側にできるのです。
流星との違いは、流星が一瞬で燃え尽きてしまうのに対し、彗星は数か月にわたり、太陽や月のように空に留まって見えることです。
彗星はその形から、箒星(ほうきぼし)と呼ばれることもあります。
*1 太陽風 … 太陽から吹き出している電気を帯びた粒子(プラズマ)
■ 流星とは
流星 とは、宇宙に浮かぶ塵が引力によって地球に引き寄せられ、
大気圏に突入したときに、空気との摩擦で燃えて発光したものです。
流星の元となる塵は、0.1mm未満から数cmぐらいの大きさで、
彗星などの小天体から発生し、その軌道上に密集しています。
流星は光の筋を描いて一瞬で消えてしまうことから、流れ星 と呼ばれることもあります。
■ 流星群とは
先ほど述べたように、
宇宙の塵は彗星の軌道上に多く存在するので、地球がその場所に差し掛かると、塵の粒がまとめて地球に飛び込んできます。
これが 流星群 の正体です。
地球が1年の中で彗星の軌道を横切る日時は決まっているので、
毎年、ほぼ同じ時期に特定の星座の流星群が観測できるわけです。
また、塵の粒が地球に引き寄せられるとき、それらは平行な方向で地球の大気に飛び込んできますが、
これを地上から見ると、流星が夜空のある一点から放射状に飛び出してくるように見えます。
この点を 放射点 といい、放射点のある星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ばれるわけです。
流星群としては、「しぶんぎ座流星群*2」「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」の「三大流星群」が有名で、
毎年安定して多くの流星が出現しています。
*2 しぶんぎ座流星群 … 四分儀(しぶんぎ)とは、かつて天体観測に使われた道具です。現在では、しぶんぎ座は星座から外され、周辺にはりゅう座やうしかい座が存在しています。
■ 流星群がピークになる日付と時間、方角
それでは、この三大流星群について、各流星群がピークとなる日付と時間、方角についてお話したいと思います。
▽ しぶんぎ座流星群
・ピーク … 1月4日頃
・見頃の時間帯 … 3日深夜から4日明け方まで
▽ ペルセウス座流星群
・ピーク … 8月13日頃
・見頃の時間帯 … 12日深夜から13日明け方まで
▽ ふたご座流星群
・ピーク … 12月14日頃
・見頃の時間帯 … 13日夜から14日明け方まで、または14日夜から15日明け方まで。
流星の観測をするときは最新の情報をご覧になってください。
また、観測する方角についてですが、流星は空のどこに現れるか分からないので、基本的にはどの方角を見ても構いません。
ただし、夜空に月が出ているときは、月のない方角を見た方が観測がしやすいでしょう。
■ まとめ
流星は、めったにお目にかかれないものだと思っていましたが、
毎年何日かは観測のチャンスがあるんですね。
読者の方も一度、最新の観測情報をもとに、夜空を飛び交う流星群を眺めてみてはいかがでしょうか。
ただし、流星群のピークは寒い時期に当たることも多いので、風邪を引かないよう、防寒対策もしっかりとしてくださいね。