安産祈願や合格祈願、厄除けにお宮参りなど、
神社に何らかの祈祷や祈願でお参りに行かれる方は多いと思います。
その際、熨斗袋の表書きを「初穂料」にすべきか、「玉串料」にすべきかで悩んでいませんか?
そこで、今回の記事では、
・初穂料と玉串料の違い
の2点についてお話したいと思います。
初穂料と玉串料の読み方
初穂料は、「はつほりょう」と読みます。
ちなみに、玉串料は、「たまぐしりょう」です。
初穂料と玉串料の違い
初穂料とは
初穂とは、その年に初めて収穫されたお米のことです。
日本には、初穂を神前にお供えし、収穫への感謝と来年の豊作を祈願する習慣があります。
しかし、農家でなかったり、季節がずれたりすると、初穂は手に入りません。
そこで、初穂の代わりにお金を神様にお供えするようになりました。
やがて、神様に奉納される金銭全般が初穂料と呼ばれるようになったのです。
この初穂料ですが、以下のような様々な場面で使用することができます。
・安産祈願
・交通安全祈願
・厄除け(やくよけ) … 災難を防ぎ、取り払う。
・お宮参り … 赤ちゃんが無事に満1か月になったことを神様に感謝する。
・七五三 … 7歳、5歳、3歳の子供の成長を神様に感謝する。
また、お守りやお札を受ける際も「初穂料○○円」と記載されている場合が多いようです。
唯一、使用を控えるべきなのはお葬式です。
「初穂料」は感謝の気持ちを表す言葉なので、お葬式には向かないのです。
この場合は、「玉串料」または「御榊料(おさかきりょう)」を用いましょう。
玉串料とは
玉串とは、榊(さかき)*1の枝に紙垂(しで)*2をつけたもので、
米や酒、魚、野菜などの神饌(しんせん)*3とともに神様にお供えします。
本来は、拝礼や祈祷をお願いする際に参拝者が持参していましたが、
初穂と同様、玉串の代わりにお金をお供えするようになりました。
やがて、この金銭が玉串料と呼ばれるようになったのです。
この玉串料ですが、初穂料と同様に様々な場面で使用することができます。
・通夜祭
・神葬祭(葬儀)
・各祈祷
・厄除け
・お宮参り
・七五三
初穂料と異なるのは、お葬式でも使える点です。
ただし、お守やお札などを受ける際は、「玉串料」ではなく「初穂料」を用いることが多いようです。
*1 榊 … 木の一種。1年中緑の葉をつけており、高さは5~10mほど。
*2 紙垂 … 注連縄(しめなわ)や玉串などにつけて垂らす稲妻をイメージした紙。
*3 神饌 … 神様に供えるお食事。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
初穂料と玉串料は、由来や使用方法がよく似ていますが、
お守りや葬儀に関しては、区別して使い分ける必要があるということです。
どちらも神様に供える大切なお金ですから、祈祷や祈願をお願いする際は、
むき出しで持っていかず、熨斗袋に入れるようにしましょう。
なお、「お布施」は神社では使用しないのでご注意ください。
お布施は、ご本尊を維持して守るため、金銭を施すことですが、
神道では、人が神様に施しを与えることはないからです。
今回の記事が、読者のお役に立てれば幸いです。
どうもありがとうございました!