喪中の範囲と期間はどこまでか?年賀状を出すときのマナーまとめ。

喪中とは、身内が亡くなったとき、その死を悼んで派手な行動を慎むことです。

毎年、年賀状を送る時期になると、この喪中のことで悩む方が増えます。

とりわけ多いのは、

「近親者が亡くなったが、私達は喪中なのか?」

という喪中の範囲についての質問と、

「今年、家族が永眠したが、喪中はいつまでか?」

という喪中の期間についての疑問です。

今回は、「喪中の範囲と期間がどこまでか」という話を中心に、

年賀状を出すときのマナーについて解説していきます。

喪中はがき

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喪中の範囲と期間はどこまでか?年賀状を出すときのマナーまとめ。

喪中の範囲はどこまでか?

喪中によって年賀欠礼*1する者の範囲は、一般的に、

「二親等以内の親族または故人の同居人」

とされています。

ここで、二親等の範囲については、以下の図で確認してください。

親族表

ただし、この「二親等または同居」というのは目安に過ぎませんので、

実際に喪に服するかどうかはそれぞれの遺族の判断となります。

たとえば、「おじ・おば」は三親等なので、一般的には年賀欠礼する必要はありませんが、

亡くなった方に小さい頃からかわいがられ、お世話になってきた。

悲しみの気持ちがとても強いので喪に服します、という選択肢だってあるわけです。

逆に、母親が逝去しても、生まれてすぐに男を作って家を出ていってしまい、

「会ったこともなければ育ててもらった覚えもない」ということであれば、通常通り年賀状を出すかもしれません。

要は、

「本人にとっての悲しみがどれほどのものか」

が喪に服すかどうかの唯一の基準であるということです。

喪中は本来、「親だったら1年」などと機械的に決める性質のものではなく、

「大切な身内を失った悲しみが大きく、慶事から距離を置いています」

という状態を表すものなのです。

*1 年賀欠礼 … 「喪中のため年賀状を出せません」というハガキを送ること。

喪中の期間はいつまでなのか?

明治7年の太政官布告では、「忌(忌中)」と「服(喪中)」の期間が細かく定められていました。

「忌」は、自宅で謹慎して外部との接触を避ける期間、

「服」は、慶事の主催や参加を見送り、外出時に喪服を着用する期間です。

こうした法令は、昭和22年に廃止されたものの、仏事の慣例として現在でもその名残が見られます。

それによると喪中の期間は、

一親等の場合 → 1年
二親等の場合 → 3~6か月

と言われています。

ただし、先ほど述べたように、喪中かどうかは遺族の悲しみで決まるのです。

立ち直るのに必要な時間に応じて、喪明けの時期を多少前後させても構わないでしょう。

その場合、まったく喪中にする気がなかったとしても、せめて四十九日ぐらいまでは喪に服したほうが、

周囲の理解は得られやすいかもしれません。

名字が異なれば喪中にしなくてよい?

次に、

「名字が異なれば喪中にしなくてよいのか?」

という疑問についてです。

これは、年中に奥さんの身内が亡くなり、奥さんが「喪中にしたい」と言っているにもかかわらず、

旦那さんは「俺には関係ない」と言わんばかりに年賀状を出す気満々のケースです。

しかし、それって何だか寂しいですね。

日本では古来から夫婦は一心同体であるとされてきました。

喪中についても配偶者と同じ視点で見ることになります。

結婚や養子によって姓が変わったからといって、血縁や親等まで解消されるわけではないのです。

そして夫婦というのは、「お互いを気遣うことで感情を共有できる関係」ですから、

夫婦のうち、一方だけが喪に服するのは好ましいことではありません。

配偶者の判断に足並みをそろえるのが理想的です。

喪中に結婚式に参列してよいのか?外出や旅行は?

先述のように、かつて死はけがれたものと考えられていて、

忌中の間はお祝い事や外出を控える風習がありました。

現在でも一般的に、

「四十九日までは結婚式等の慶事への参加はできない」

と言われているのはそのためです。

しかし、忌中の期間を過ぎ、喪中に入ってしまえば、

どのくらいの間、喪に服すかは当人の気持ち次第になります。

親しい人を亡くし、とてもだが平常心ではいられない。

世間のわずらわしい慣習から距離を置きたいので欠席する、となるのは当然ですし、

逆に、故人が生前、遺族の結婚式を楽しみにしていた。

「早く元の生活を取り戻してほしい」との遺言もあり、予定通り式を挙げることにした、という選択もあり得ます。

このように、近年では喪中の期間における結婚式について、柔軟な対応をするようになってきています。

むろん、「外出や旅行をしてはいけない」などという決まりもありません。

ただし、ご年配の方の中には気にする人もいるので、できる限り周囲の了承を得ておくほうがよいでしょう。

ちなみに、お中元やお歳暮については、お祝いの贈り物ではないので、

相手が喪中でも贈って構いません。

ですが、四十九日が明けていないときは、明けてから「暑中見舞い」「寒中見舞い」として贈ります。

のし紙は、紅白の水引ではなく、無地の短冊を使用します。

喪中と年賀状に関するマナー

続いて、喪中と年賀状に関するマナーについてまとめました。

喪中であることを知っている人には年賀欠礼状を出さなくてよいか?

そんなことはありません。

確かに、葬儀や通夜に参列した人であれば、当方に不幸があったことはご存じでしょう。

ですが、どのくらいの期間、喪に服すかは遺族の悲しみの度合いで決まる以上、

相手方にはこちらの服喪期間を知る術はありません。

ですので、毎年年賀状のやり取りをしている人には年賀欠礼の喪中はがきを送ります。

年賀欠礼状は、11月の末から遅くとも12月の初めには届くようにしてください。

ちなみに、仕事関係先には欠礼状を省略する場合もあるようです。

喪中に年賀状が届いたが、どうすればよいか?

欠礼状を送らなかった相手や、喪中を知らなかった人から年賀状が届いてしまうことがあります。

そのときは、「寒中見舞い」で対応します。

寒中見舞いとは、1月8日から立春(2月4日ごろ)の前までに出すあいさつ状のことです。

寒中見舞いには、年賀はがきではなく、官製はがきを用いるようにしてください。

寒中見舞いの文例(1)
・前もってお伝えせねばならなかったところ、大変申し訳ございませんでした。
・ご連絡が行き届かず、深くおわび申し上げます。
・実は、昨年○月に△が他界いたしましたため、年頭のごあいさつを控えさせていただきました。

喪中の人に年賀状を出すのは失礼か?

喪中の方は年賀状を出すことができないので、こちらからも送りません。

実の親や子を失い、立ち直ることができない人に、

「明けましておめでとうございます」

などと言えないのは、容易に想像できると思います。

通夜や葬儀に参列せず、年賀欠礼状で不幸を知った場合、線香などの供物を贈ってもよいです。

喪中の方へのあいさつには「寒中見舞い」を利用します。

喪中と知らずに年賀状を送ってしまったおわびも「寒中見舞い」で大丈夫です。

寒中見舞いの文例(2)
・ご服喪中とのお便りをいただき、新年のごあいさつを控えさせていただきました。
・存じ上げなかったとはいえ、年始状をお送りしてしまい、大変失礼いたしました。

まとめ

喪中とは、亡くなった故人に思いをはせ、その方をしのぶ期間です。

大まかな目安はありますが、その範囲や期間はご自身で決めることになります。

世間の慣習や身内の意見を参考にしつつ、最終的には、

「自分はどうしたいのか?」

という心の声に、素直に従えばよいのではないでしょうか。

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