クリスマスシリーズ第2弾ということで、今回のテーマは、
サンタクロース
について取り上げたいと思います。
クリスマスでは、すっかりおなじみとなったサンタクロースですが、
その存在には意外と謎が多いですよね。
たとえば、
・モデルとなった聖ニコラウスとはどのような人物か?
・サンタクロースはなぜ煙突から侵入して、靴下にプレゼントを入れるのか?
・サンタクロースがトナカイの引くそりに乗っている理由は?
・サンタクロースが赤い服を着ているのはコカコーラと関係あるの?
といった所ですね。
今回の記事では、こうしたサンタクロースの秘密に迫ってみたいと思います。
サンタクロースの起源
サンタクロースのモデル
サンタクロースのモデルとなった人物は「聖ニコラウス(271~343年)」です。
ニコラウスは、東ローマ帝国・小アジア(現在のトルコ)の司教(高位聖職者)でした。
今日におけるサンタクロースは、以下で紹介するニコラウスの伝説がもとになっています。
聖ニコラウスの伝説
昔々、ある所に貧乏な家族が住んでいました。
その家族には、3人の娘がいましたが、
貧しさのあまり、とうとう身売りをしなければならなくなりました。
これを不憫に思ったニコラウスは、
ある日の真夜中、その家まで出かけ、
窓から金貨を投げ入れました。
金貨は暖炉のそばに干してあった靴下の中に入りました。
この金貨のおかげで、3人の娘は救われ、幸せに結婚しましたとさ。
めでたし、めでたし。
サンタクロースとクリスマスのつながり
この伝承が、真夜中に家にやってきて、靴下にプレゼントを入れるというサンタクロースの起源になりました。
ニコラウスは死後に聖人とされ、ヨーロッパでは彼の命日である12月6日に、
子供達へプレゼントを贈るようになりました。
この伝説は、18世紀にオランダ人によってアメリカに伝えられ、やがて、
「東の方から来た学者が、生まれたばかりのキリストに贈り物をした」という「東方の三博士」の話と結びつき、
アメリカ全土でクリスマスにサンタクロースがプレゼントを贈る習慣が広まりました。
サンタクロースの名前や煙突、そりの由来
先述の通り、サンタクロースはオランダ人によってアメリカに伝えられました。
聖ニコラウスは、オランダ語で「シンタクラース」といいますが、それが「サンタクロース」の語源になっています。
また、1823年にアメリカの新聞で「サンタクロースがきた」という詩が発表されましたが、
この作品の中で、サンタクロースは、
・小柄で太った白髪のお爺さん。
・幸せそうによく笑う。
・背中におもちゃがたくさん入った袋を背負う。
・煙突から入ってきて、靴下にプレゼントを入れる。
として描かれ、アメリカにおけるサンタクロースのイメージ形成に大きな影響を与えました。
サンタクロースの赤い服とコカコーラの関係
次に、サンタクロースが赤い服を着ている由来ですが、
「コカコーラの広告で、サンタクロースが赤い服を着ていたのが始まり」
とする説がありますが、これは誤りです。
なぜなら、コカコーラがサンタクロースを広告に起用するよりも前に、
日本の新聞や書籍で、すでに赤い服を着たサンタクロースが描かれていたからです。
サンタクロースの赤い服は、もともとカトリック教会で、聖人の祝日に着用する赤い司祭服に由来しています。
これは、「血を流しても人々のために尽くす」という証です。
ところが、1900年代初頭のクリスマスカードを見ると、サンタクロースは青や紫、緑、茶など、
国によって様々な色で描かれていたことが分かります。
1931年、米国コカコーラの冬のキャンペーン広告で起用されたサンタクロースは、
画家のハッドン・サンドブロムが描いたものです。
太った体型に赤い服をまとい、白いひげをたくわえた陽気なサンタクロースは、
たちまち人々の心を捕らえ、コカコーラの世界進出に伴ってそのイメージも世界的に定着していったのです。
このように、サンタクロースの赤い服は、コカコーラが発祥ではないものの、
コカコーラがそのイメージを世界に広めたことは間違いなさそうです。
まとめ
聖ニコラウスの伝説から子供達にプレゼントをするようになり、
それが新約聖書の話と結びついてクリスマスに実施されるようになって、
コカコーラが現在のサンタクロースのイメージを世界に広めた。
何とも壮大な歴史を感じるエピソードですね。
筆者も子供の頃、サンタさんからのプレゼントを心待ちにしていたのを思い出しました。
あのワクワクした気持ちを、もう一度取り戻したいと思います(笑)