クリスマスが近づいてきましたねー。
日本では、クリスマスというと、恋人同士が一緒に過ごしたり、
家族でケーキやチキンを食べたりするイメージがありますが、
そもそもクリスマスの由来や起源とは何なのでしょうか?
また、「クリスマス・イブ」という言葉がありますが、この日にはどのような意味があって、
具体的な日にちはいつなのでしょうか。
ということで、今回の記事では、
・クリスマス・イブの意味や日にち
について、お話していきたいと思います。
■ クリスマスの由来と起源
▽ 「クリスマス」という言葉の由来
「クリスマス」を英語で書くと、「Christmas」または「Xmas」、「X-mas」となります。
その語源ですが、「Christ」は「キリスト」、「mas」は「ミサ=礼拝」を表しています。
「『X’mas』のように『’(アポストロフィー)』を付けるのは誤り」
とする説もありますが、実際は海外でも見られる表記らしく、
特にアジアでは、多く用いられているようです。
ちなみに、「Xmas」の「X」という文字ですが、
もともとギリシャ語の「Christos」の頭文字である「χ(カイ)」を「Christ」の省略形として用いたものです。
▽ クリスマスの起源
次に、クリスマスの起源についてですが、
クリスマスはもともと、イエス・キリストの降誕*1を祝うお祭りです。
*1 降誕(こうたん) … 神聖視される人物が生まれること。
クリスマスの日に当たる12月25日は、キリストの誕生日だと思われがちですが、
新約聖書*2にはキリストが生まれた日付を示す記述はなく、
キリストの誕生日については詳しく分かっていません。
*2 新約聖書 … 旧約聖書とならぶキリスト教の正典。紀元1~2世紀にキリスト教徒によって書かれた。
それでは、なぜ12月25日にキリストの誕生を祝うことになったのでしょうか。
それは、古代ローマ*3で行われていた冬至のお祭りが関係しています。
*3 古代ローマ … イタリア半島の都市国家から始まり、地中海全域を支配する世界帝国にまで発展した国家。
紀元1~4世紀、古代ローマでは太陽神ミトラスを主神とするミトラス教が信仰されていました。
そして、冬に向かって短くなっていた日照時間が、冬至の日を境に再び長くなることから、
12月25日の冬至の日を、「太陽神の復活」としてお祝いしていたのです。
このお祭りを「ナタリス・インウィクティ」と呼びます。
初代キリスト教の指導者は、このお祭りを利用してキリスト教を広めることはできないかと考えました。
都合のよいことに、キリストの誕生日がいつだったかは分かっていません。
それならば、キリストの誕生をいつ祝ってもよいはずです。
「そうだ! 冬至のお祭りをクリスマスにしてしまおう!」
こうすれば、ミトラス教との対立や摩擦を避けつつ、キリスト教を布教することができます。
やがて、冬至の祭りではキリストの誕生が祝われるようになり、これが現在のクリスマスの起源となっています。
■ クリスマス・イブの意味や日にち
さて、クリスマスの起源は分かりましたが、「クリスマス・イブ」にはどのような意味があるのでしょうか?
世間では、
「クリスマス・イブはクリスマスの前日」
といったような理解がされていますが、これは誤りです。
古代ローマでは、ユダヤ暦という暦が使用されていたのですが、
この暦は、太陽が沈む日没から1日が始まる仕組みになっていました。
「クリスマス・イブ」の「イブ」とは、「evening=夕方」のことです。
つまり、「クリスマス・イブ」とは、決してクリスマスの前日ではなく、
まさに「クリスマスの始まり」を表しているのです。
ですから、クリスマスは12月25日だけを指すのではなく、正確には、
「12月24日の夕方から12月25日の夕方まで」
がクリスマスになるのです。
■ まとめ
いかがでしたでしょうか。
クリスマスの起源をたどると、意外と奥が深いですよね。
日本では、キリストのことはあまり意識されず、ただのお祭りのようなイベントになってしまいましたが、
今回の記事で得た知識を家族や友人、恋人に教えてあげると一目置かれるかもしれませんよ。
それでは、読者に素敵なクリスマスが訪れますように。