皆さん、こんにちは。
突然ですが、「台風一過」という言葉をご存じですか?
筆者は小学生の頃、「台風一家」だと思っていました。
「サザエさん一家」のような家族なのかと(笑)
台風一過とは、
「台風が過ぎた次の日はよい天気になる」現象を指すのですが、
この言葉は、日常の会話や文章でどのように使えばよいのでしょうか。
今回は、台風一過の使い方や言葉の意味、晴天になる理由について解説していきます。
台風一過の使い方。言葉の意味や晴天になる理由もあわせて解説
台風一過の意味
台風一過には、大きく分けて以下の二つの意味があります。
(2) これに例えて、騒動が収まり、落ち着いた状態になること。
台風とは、北西太平洋や南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、
中心付近の風速が約17m/s以上になったものをいいます。
平安時代は、野の草を吹き分けることから、「野分(のわき、のわけ)」と書いたり、
明治初期には、「タイフーン」「大風」と呼んだりしました。
明治の末になると、気象学者である岡田武松によって「颱風(たいふう)」という言葉が生まれ、
1956年には、より簡易な漢字を用いて「台風」と書き換えられました。
台風の由来には諸説あり、ギリシャ神話に登場する最強の怪物「テュポン(Typhon)」が元になった、というのがその一つです。
一方で「一過」とは、「さっと通り過ぎる」という意味です。
晴天になる理由
次に、「台風一過はなぜ晴天になるのか?」という理由を見ていきます。
台風が高気圧を引き連れてくる
以下の天気図をご覧ください。
気象庁「日々の天気図」を加工して作成
これは、2019年の10月12~14日の天気図です。
この時期、日本は台風19号による猛烈な雨と風に見舞われ、複数の河川ではんらんが起きるなど、大きな被害が発生しました。
この図の真ん中、13日の天気図に注目していただきたいのですが、東北地方の右横にある渦が台風です。
そして、左上に位置する”H”という記号が高気圧になります。
日本周辺において、天気は西から東に移り変わりますので、台風一過では、この高気圧が日本に到来し、よい天気をもたらしました。
台風が空気中の水蒸気を吸収していく
台風のエネルギー源は、空気中に存在する水蒸気です。
台風は低気圧ですから、中心付近で上昇気流が発生し、周りから空気が流れ込んできます。
この時、水蒸気も一緒に台風に取り込まれますので、台風が去った後は空気が乾燥し、雲ができにくくなるため、晴れになることが多いのです。
気温が上がる理由
台風一過では、天気が良くなるだけでなく、気温も高くなります。
そちらの理由も見ていきましょう。
大気がきれいになる
台風が通り過ぎると、空気中にあったチリやほこり、雲などが台風に吸収されていきます。
まるで、台風が掃除機のように空をきれいにしてくれるわけです。
そのため、台風一過では、日光をさえぎる物がなくなり、地上に多くの光が降り注ぐので気温が上がりやすくなります。
台風が周りの空気を取り込む
先ほど、
「台風は空の掃除機」
と書きましたが、台風の周りでは空気が反時計回りに取り込まれています。
また、日本の南東には、
「小笠原気団」
と呼ばれる、高温で多湿の空気のかたまりが存在します。
台風が本州の西側を通って北に抜けるとき、この左回りの渦の影響で、小笠原気団の温かい空気が日本に運ばれるのです。
これが、台風一過で気温が高くなる一因となっています。
台風一過の使い方
最後に、「台風一過」という言葉の使い方についてです。
以下の例文を参考にされてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
台風一過の意味や言葉の使い方について、この記事が少しでもお役に立てることを願うばかりです。
台風による被害は発生しないのが一番ですが、もし今後、台風が日本を通過した時は、翌日の天気を観察されてみてください。
台風一過の天気が、より深く印象に残ると思います。
それでは、別の記事でまたお会いしましょう!
ありがとうございました。
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