地震が発生すると、テレビのニュース速報で、各地の震度が伝えられます。
それと同時に、地震のマグニチュードも発表されることがありますが、
震度とマグニチュードはどのように違うのでしょうか。
今回は、地震の重要な目安となる震度とマグニチュードの違いについて、
子供にもわかりやすく解説したいと思います。
震度とマグニチュードの違いを子供にもわかりやすく説明
震度とは?
震度とは、ある場所での「ゆれ」の大きさのことです。
かつて、震度は人の感じ方や被害の様子で決めていましたが、
1996年以降は「計測震度計」という機器で自動的に測定しています。
震度を測る場所は、全国に約4300地点あり、観測された震度は四捨五入して整数に直しています。
震度は、
「0, 1, 2, 3, 4, 5弱, 5強, 6弱, 6強, 7」
の10段階あるので、震度5と6については、
・切り上げでその震度になった → 弱
・切り捨てでその震度になった → 強
と区別されているのです。
震度階級関連解説表
次に、「震度階級関連解説表」を見ていきましょう。
これは、震度階級ごとに、人の体感や行動、屋内外の状況を表にしてまとめたものです。
震度階級 | 人の体感・行動 | 屋内の状況 | 屋外の状況 |
---|---|---|---|
0 | 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。 | - | - |
1 | 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。 | - | - |
2 | 屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。 | 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。 | - |
3 | 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。 | 棚にある食器類が音を立てることがある。 | 電線が少し揺れる。 |
4 | ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 | 電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。 | 電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。 |
5弱 | 大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。 | 電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。 | まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路に被害が生じることがある。 |
5強 | 大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。 | 棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。 | 窓ガラスが割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止する車もある。 |
6弱 | 立っていることが困難になる。 | 固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。 | 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。 |
6強 | 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。 | 固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。 | 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。 |
7 | 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。 | 固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。 | 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損するものがある。 |
マグニチュードとは?
マグニチュード(M)とは、地震そのものの規模を表す数値です。
震央(震源の真上)から100km離れた地点にある地震計の最大ふれ幅を測り、
その常用対数(高校の数学で習います)で表します。
マグニチュードは、その値が2増えると地震のエネルギーが1000倍になります。
ですので、マグニチュードが1増えたときは、1000の平方根(中学の数学で習います)、すなわちエネルギーが約31.6倍になります。
一般に、M6を超える地震が人の住んでいる土地の真下で発生すると、死傷者を出す災害になると言われています。
また、M7の地震では大災害になり、M7を大きく超えると津波が発生することもあります。
ちなみに、1995年の阪神・淡路大震災はM7.3、2011年の東日本大震災はM9.0でした。
マグニチュードが大きくなると岩盤が破壊される範囲も広がるため、より広い地域に被害が拡大してしまうのです。
マグニチュードの目安と頻度、代表的な地震
次に、マグニチュードの大きさによる地震の分類や頻度、代表的な地震について見ていきましょう。
地震の大きさ | マグニチュード (M) | 被害の程度 | 頻度 | 代表的な地震 |
---|---|---|---|---|
極微小地震 | 0 | - | - | - |
微小地震 | 1 | - | 1分間に1~2回 | - |
2 | 極まれに有感 | 1時間に10回 | - | |
小地震 | 3 | 震央付近で有感となることがある | 年に約10000回 | - |
4 | 震央付近で有感、震源がごく浅いと軽い被害 | 年に約1000回 | 北朝鮮の核実験で観測された地震(2006年、M4.0) | |
中地震 | 5 | 被害が出ることは少ない | 年に120回 | - |
6 | 震央付近で小被害、M7に近くなると大被害 | 年に10~15回 |
新潟県中越地震(2004年、M6.8)
新潟県中越沖地震(2007年、M6.8)
|
|
大地震 | 7 | 内陸では大災害、海底であれば津波 | 年に1~2回 |
関東大震災(1923年、M7.9)
阪神・淡路大震災(1995年、M7.3)
熊本地震(2016年、M7.3)
|
巨大地震 | 8 | 内陸では広域大災害、海底であれば大津波 | 10年に1度 | - |
超巨大地震 | 9 | 数100から1000Kmの範囲で大きな地殻変動を生じ、広域で大災害・大津波 | 数百年に1度 | 東日本大震災(2011年、M9.0) |
まとめ
以上が震度とマグニチュードの説明です。
両者の違いについて理解できましたでしょうか。
まとめると、マグニチュードが地震の震源におけるエネルギーの強さであるのに対し、
震度は地表でのゆれの大きさを表し、その値は震源から離れるほど小さくなっていくということです。
マグニチュードを「テレビのボリューム」、
震度を「テレビの周りにいる人の聞こえ方」、
に例えるとイメージしやすいかもしれません。
テレビのボリュームを上げれば上げるほど、周囲の人への音の聞こえ方は大きくなります。
また、人がテレビから離れれば離れるほど、音の聞こえ方は小さくなっていきます。
日本は地震の多い国です。
震度とマグニチュードについて学んだあとは、防災についても見直しておきたいですね。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
ありがとうございました!