光化学スモッグとは?なぜ埼玉に多いのか?その症状と対策

私が小学生だった頃、学校の先生から、

「今日は光化学スモッグが発生しています」

「ハンカチで鼻と口を押さえて下校してください」

と言われたことが何度かありました。

今から思えば、ハンカチやマスクでは、光化学スモッグを防ぐことはできないのですが…。

それにしても、この光化学スモッグとは一体何なのでしょうか。

今時、光化学スモッグなど存在するのでしょうか。

また、埼玉に光化学スモッグが多いのはなぜなのでしょうか。

今回の記事では、

・光化学スモッグとは何か?
・光化学スモッグによる影響や症状
・光化学スモッグへの対策・対処法
・統計から見る光化学スモッグ(推移、地域)

についてお話したいと思います。

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■ 光化学スモッグとは何か?

光化学スモッグの主な原因には、

窒素酸化物(NOx) … 工場や自動車から排出される。
揮発性有機化合物(VOC) … 塗料や接着剤に含まれる。

の2つがあります。

これらの物質が日光の紫外線と反応すると光化学オキシダント*1という汚染物質が発生し、

この光化学オキシダントが大気中にとどまっているのが光化学スモッグです。

*1 光化学オキシダント … オゾン、アルデヒド、ペルオキシアシルナイトレート(PAN) といった物質がある。

光化学スモッグ

スモッグ(smog)とは、煙(smoke)と霧(fog)の合成語で、

光化学スモッグが発生すると、もやがかかったように遠くの景色がかすんで見えるのが特徴です。

光化学スモッグが発生しやすい気象条件としては、

・日差しが強い
・気温が高い
・風が弱い

夏の日に起こりやすくなります。

光化学スモッグが発生すると、都道府県知事が注意報や警報を発令しますが、その基準は、

注意報 … 光化学オキシダント濃度が1時間で 0.12ppm 以上
警報 … 光化学オキシダント濃度が1時間で 0.24ppm 以上

の状態が継続することとされています。

■ 光化学スモッグによる影響や症状

光化学スモッグによる影響や症状としては、

・目の痛み、目がチカチカする。
・喉(のど)の痛み、咳(せき)
・頭痛、めまい

などが挙げられます。

■ 光化学スモッグへの対策・対処法

光化学スモッグが発生したからといって、直ちに健康に影響が出るわけではありませんが、

抵抗力の弱い高齢者や子供は注意が必要です。

具体的な対策・対処法としては、

マスクでは防ぐことはできない。
できるだけ外に出ない … 屋外での運動は中止する。
窓を閉める … 光化学スモッグを室内に入れない。
自動車の使用を控える … 新たな光化学オキシダントを生み出さない。
異常を感じたら屋内に避難し、洗顔・うがいをする。
洗濯物は干したままでOK … 光化学オキシダントの主成分であるオゾンは、洗濯物にぶつかると分解されてしまう。

ということになります。

また、「環境省大気汚染物質広域監視システム・そらまめ君」では、

光化学オキシダント注意報・警報の発令情報を見ることができます。

■ 統計から見る光化学スモッグ(推移、地域)

最後に、光化学スモッグに関する統計を見ておきましょう。

光化学オキシダント注意報の推移

出典:「平成28年光化学大気汚染の概要」(環境省)

上のグラフは、過去から現在までの、光化学オキシダント注意報・警報の推移を表したものです。

これを見ると、光化学スモッグの発生は昭和48年(1973年)にピークとなり、

その後、昭和56年(1981年)にかけて減少しますが、

平成22年(2010年)にかけて緩やかに上昇し、

近年は再び減少していることが読み取れます。

光化学オキシダント注意報の都道府県別発生数

「平成26~28年光化学大気汚染の概要」(環境省)を加工して作成

また、上の地図は、平成26~28年までの光化学オキシダント注意報発令日数を都道府県別にしたものですが、

これを見ると、関東地方や近畿地方で光化学スモッグが多く発生していることが分かります。

そして、予想通り(?)埼玉県は全国トップクラスの光化学スモッグ発生率を誇っています。

埼玉県で光化学スモッグが多い理由ですが、

関東南部の臨海地域や大都市から排出された汚染物質が、南風によって関東平野を化学反応しながら北上してくるから。

だそうです。

埼玉県民にとっては、何とも迷惑な話ですね。

工業地帯

■ まとめ

いかがでしたでしょうか。

近年、光化学スモッグは減少しつつあるものの、完全になくなったわけではありません。

・外出するときは、なるべく公共の交通機関を使う。
・自動車を運転するときは、アイドリングストップに心がける。

など、私たちにできることから取り組み、

次世代にきれいな空気を残していきたいものです。

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