荼毘に付すとは?その由来と火葬との違いをわかりやすく解説

こんにちは。cueです。

読者は、

「荼毘に付す」

という言葉を聞いたことがありますか?

「荼毘」は「だび」と読むのがですが、その言葉の由来は何なのでしょうか。

また、火葬との違いはあるのでしょうか。

今回は、この「荼毘」について、調べたことをわかりやすく解説したいと思います。

炎

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荼毘に付すとは?その由来と火葬との違いをわかりやすく解説

荼毘に付すとは

荼毘に付すとは、

「火葬すること」

です。

火葬との違いはありません。以上!

……

……と言いたいところですが、これではあまりにもあっけないので、

もう少し荼毘について詳しくお話しますね。

(まだ画面を閉じないでください)

荼毘の由来

「荼毘」という言葉の由来ですが、火葬を意味する言葉を、パーリ語で、

jhapeti(ジャーペーティ)

サンスクリット語では、

dhyapayati(ディヤーパヤティ)

といい、その音から取ったとされます。

パーリ語とは、どこかの国で話されている言語というわけではなく、

上座部仏教の経典や儀式に用いられる言語のことです。

一方、サンスクリット語とは、梵語(ぼんご)とも呼ばれ、

パーリ語と同様、日常会話には用いられないのですが、

大乗仏教の経典に使用され、現在も広く学ばれています。

旦那(danapati)、卒塔婆(stupa)など、日本語の中にはサンスクリット語を語源とする言葉が少なくありません。

上座部仏教と大乗仏教

次に、上座部仏教と大乗仏教の違いについて簡単に解説しておきます。

上座部仏教とは、スリランカやミャンマー、タイ、カンボジア、ラオスなど、

東南アジア地域で信仰されている仏教です。

戒律を厳格に守り、出家して厳しい修行を積んだ僧侶のみが悟りを開き、救われます。

ミャンマーの僧侶

しかし、これでは僧侶以外の人は救われないことになってしまうので、

お釈迦様の教えを一般にも広めるために登場したのが大乗仏教です。

大乗仏教では、利他の行い(他人を幸福にすること)によってすべての人を救うことを目的としており、

チベットやモンゴル、中国、朝鮮、日本といった東アジア地域へと広まっていきました。

火葬について

ここで再び火葬について詳しく見ていきましょう。

火葬とは、死体を焼き、残った骨を容器に収めて埋葬する方法です。

インドでは古くから四葬(しそう)の風習がありました。

四葬とは、「水葬・火葬・土葬・林葬」の四つのとむらい方のことです。

以下、それぞれの方法について、大まかに見ていきます。

水葬

水葬

水葬とは、遺体を海や川に沈める方法です。

現在の日本では、航海中の船の中で死亡した場合などの特殊なケースを除いて、

原則的に禁止されています。

インドのヒンズー教徒の場合、「ガンジス川がすべての源である」という宗教観のため、

火葬した後の骨をガンジス川に流す風習があります。

火葬

インドの仏教徒の中では、最も重んじられていた葬法です。

お釈迦様の遺骸も火葬されています。

日本には、仏教とともに伝わったと考えられており、

奈良県・元興寺(がんごうじ)の開祖である道昭が、700年に民衆に模範を示すために火葬されたことに始まるとされています。

火葬は、のちに持統天皇(703年)や仏教徒の貴族の間へと広まっていきました。

土葬

遺体をそのまま埋葬することです。

アメリカやヨーロッパなどのキリスト教の国や、イスラム教諸国、中国などの儒教の国では、

宗教上の理由により、土葬が主流となっています。

かつて、日本でも1873年に神道派の主張で火葬が禁止されたことがありました。

しかし、仏教徒の反発や衛生面での問題、土葬のための用地の不足といった現実には逆らえず、

2年後の1875年には禁止が解除されました。

林葬

水葬や土葬は何となく知っていても、この林葬(りんそう)という言葉は初めて聞いた方が多いのではないでしょうか。

林葬とは、死骸を林野に捨てて鳥獣に施すほうむり方です。

インドでは、死を悟った人がガンジス川のほとりにやってきて死を待ちます。

亡くなると火葬され、骨はガンジス川に流されますが、

貧しい方だと火葬の順番を後回しにされ、

結果として犬などにむさぼり食われることもあるそうです。

……なんだか、かわいそうな気もしますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「荼毘」という単語は、もともとパーリ語やサンスクリット語といった仏教用語であるということです。

ですので、「荼毘に付す」という言葉は、本来仏教徒だけに使用します。

他の宗教の場合は、普通に「火葬する」です。

細かいですが、こうした点にも気をつけて言葉を選べると一目置かれます。

それでは、今回はこれで終わります。

どうもありがとうございました。

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