ここ1年間で親族を亡くされ、8月に初盆・新盆を迎える方は多いと存じます。
しかし、冠婚葬祭について、あまり経験のない方は、
・時期はいつなのか?
・準備としてやることは?
といったことが全く分からずに、お困りではないでしょうか。
今回はこれらの疑問について、わかりやすく解説していきます。
初盆とは?新盆とは?
仏教では、人が亡くなると7日ごとに閻魔大王の裁きを受けるとされます。
そのため、裁判に合わせて法事・法要を行い、故人の成仏を祈ります。
そして、49日目についに極楽に行けるかどうかの判決が下され、
この日を四十九日(しじゅうくにち)と呼びます。
初盆とは、この四十九日の法要が終わり(忌明け(きあけ))、初めて迎えるお盆のことです。
読み方は「初盆(はつぼん)」です。
「新盆(にいぼん)」とも呼ばれます。
四十九日以内にお盆が来たときは、翌年のお盆が初盆となります。
お盆には故人や先祖の霊が帰ってくるとされ、特に初めての里帰りとなる初盆では、
僧侶や親族、故人と親交の深かった人を招いて法要が行われます。
初盆・新盆の時期
現在、日本で行われているお盆の時期には、大きく分けて以下の二つがあります。
・旧のお盆 … 8月13~16日
このうち、新のお盆は、東京・函館・金沢など一部の地域のみで、
全国的には8月に行うお盆が主流となっています。
初盆・新盆のやり方
初盆・新盆では、法要の準備や親戚への連絡、初盆飾りの準備など、
意外とやることがたくさんあります。
初めての経験で、「何をすればよいか分からない」という方も多いと思いますので、
初盆のやり方を順番に解説していきます。
僧侶の手配
一般的に初盆では、8月14~15日で僧侶にお経を上げてもらいます。
お盆の時期はお寺も忙しいので、2~3か月前になったら連絡を取り、
・会食に参加されるか
・白提灯の処分方法
について確認しておきます。
檀家の多い寺院では、読経を前倒しで行ったり、盂蘭盆会の合同法要をお寺で実施したりすることもあります。
会食の準備
法要の後は、全員で会食しながら故人の思い出を語り合います。
仕出しにせよ、外食にせよ、日程が決まり次第早めに予約をしておくことが大切です。
その際は、場に合った料理が提供されるよう、利用目的をしっかり伝えましょう。
参加者への連絡
法要の日時や場所について、親族や故人と縁のある人に連絡し、
参加の可否を確認していきます。
通知の手段としては、電話や往復はがきが使用されますが、はがきで案内状を送る時は、
遅くとも1月前には届くようにすると、先方も予定が立てやすくなります。
盆棚の準備
盆棚(ぼんだな)とは、精霊棚(しょうりょうだな)とも呼ばれ、
ご先祖様の霊を迎えるための供物(くもつ)を飾る棚のことです。
仏壇の前に小さめの机を用意して、まこも*1のござを敷き、位牌*2をすえ置きます。
盆棚の飾りとしては、以下のようなものが挙げられます。
・食べ物 … そうめん、果物や野菜、菓子、故人の好物など。
・精霊馬(しょうりょううま) … なすやきゅうりに割り箸を付けた牛や馬。「祖先の霊が馬に乗って素早くやって来て、牛に乗ってゆっくり帰っていく」という意味合いがある。
・盆提灯(ぼんちょうちん) … 祖先の霊が迷わずに家にたどり着けるよう、目印として飾る。初盆では、絵柄のない白提灯を使用する。使い終わった提灯は、送り火で燃やすかお寺に供養してもらう。
*1 まこも(真菰) … イネ科の多年草。
*2 位牌 … 故人の戒名が書かれた木の札。
お返しの準備
法要に参列してくれた方へのお返しを用意します。
お香典の相場が、3,000~10,000円なので、その3分の1~2分の1に当たる
2,000~3,000円ぐらいの品物を準備しておくとよいでしょう。
お返しとしては、食べてなくなる「そうめん」や、たくさんあっても困らない「洗剤」などが人気のようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
初盆・新盆とは何か、その日を迎える前にやるべき準備についてご理解いただけたかと思います。
お盆休みは本来、法要や先祖の霊のお迎え・お送り、参列者の対応などをするための休みだということです。
(家族で夏休みの旅行をするための休みではなかったんですね……)
今回は、初盆の法要を取り行う側のマナーについてご紹介しましたが、
次回は参列する側の作法についてお話できればと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。