気候が温かくなってくると、家の中に虫が出るようになりますよね。
紙魚(シミ)が あらわれた!
cueは さっちゅうざいを まいた。
かいしんの いちげき!
シミを たおした!
いやー、ものすごい効き目です。
殺虫剤をかけてから物の数秒でイチコロですよ。
日本のメーカーはやはり優秀です。
でも、そのとき思ったんです。
「虫が一瞬で死ぬような薬を人間が吸い込んで大丈夫なのか?」と。
そこで、今回は殺虫剤の人体への影響についてまとめてみました。
特に、小さな子供やペットがいる方は必見ですよ!
■ 殺虫剤は人体に影響するのか?
▼ 殺虫剤の成分であるピレスロイドとは?
殺虫剤が人体に与える影響を調べるために、まずはその成分を確認することにしました。
殺虫剤の有効成分。それは、
「ピレスロイド」
です。
「ミ○スローイード♪」
の名前の由来にもなっていますね。
ピレスロイドは、「除虫菊(シロバナムシヨケギク)」に含まれている成分で、
この植物はもともと地中海沿岸に生えていたのですが、
明治時代に日本に伝わり、
この除虫菊を使って、初めての渦巻き型の蚊取り線香が発明されました。
ピレスロイドが殺虫剤に向いている理由としては、
□ 虫よけの効果(忌避効果)がある。
□ 隠れている虫を追い出す効果(フラッシングアウト)がある。
□ 安全性が高い。
といったものが挙げられます。
▼ ピレスロイドの安全性
それで、このピレスロイドですが、害虫の皮膚や口から入り、神経に作用して虫を退治します。
この成分は、昆虫類・魚類・両生類・爬虫類に対して効果を示します。
ですので、
カブトムシやクワガタムシなどの昆虫類、
金魚やメダカといった魚類、
カエルやイモリなどの両生類、
ヘビやカメ、ワニ、キョウリュウといった爬虫類、
をペットにされている方は、水槽にカバーをするか部屋の外に出すなどしてください。
一方、ピレスロイドの哺乳類(人や犬、猫など)や鳥類(ニワトリ、インコなど)への作用は極めて弱く、短時間で分解されて体の外に出されてしまいます。
また、光や空気、熱によっても分解されますので、殺虫剤を使用後、部屋に成分が残ることを気にしなくてもよいのです。
▼ 使用上の注意をよく守る
しかし、いくら安全性が高いとはいえ、決して人体に良いものではないわけです。
殺虫剤の缶を開けて、中身を一気飲みしたり、
みんなで殺虫剤を武器にしてサバイバルゲームを始めたりしてはいけないのです。
また、海外では、尿中のピレスロイド濃度の高い子供は、「反抗的になる」「ADHD(注意欠陥・多動性障害)のリスクが高まる」といった調査結果もあるようです。
ですので、殺虫剤の使用にあたっては、「使用上の注意」をよく守ることが大切です。
□ 噴射気体を直接吸入しない。
□ 噴射中は噴射する人以外の入室を避け、噴射後は室内の空気が外気と入れ替わってから入室する。
□ 皮膚、飲食物、食器、おもちゃ、ペット、飼料、植物にかからないようにする。
□ 家具、建具、プラスチック製品などに直接噴射しない。
□ 薬剤が皮膚に付いた時は、石けんと水でよく洗う。目に入ったときは、直ちに水でよく洗い流す。
ということです。
■ まとめ
ハエや蚊、ゴキブリ、ノミ、ダニといった感染症を媒介する昆虫は「衛生害虫」と呼ばれます。
この衛生害虫の駆除を目的とした殺虫剤は、医薬品(スプレー式、煙式、粉式)と医薬部外品(蚊取り線香、電気蚊取り)に分けられ、「薬事法」という法律で規制されています。
そのため、殺虫剤の製造・販売にあたっては、厚生労働省に申請を行い、その際に安全性について厳しい審査が行われるのです。
ですから、審査を通過し、承認された殺虫剤は、使用法を守れば安全性が確保されることになります。
「必要な場面でのみ使用し、他の物にかからないようにする」
というのが、一番現実的な使い方ではないでしょうか。