こんにちは、cueです。
中学の理科で、
「飽和水蒸気量」
という言葉が出てきます。
教科書では、
「空気 \(1m^3\) あたりに含むことができる水蒸気量」
といった説明がされていますが、これは空気の温度によって決まるものなのでしょうか。
また、理科の計算問題で、湿度や飽和水蒸気量の求め方が分からずに困っている人もいるでしょう。
今回は、
について分かりやすく解説していきたいと思います。
飽和水蒸気量とは。温度によって決まる?湿度の計算での求め方。
飽和水蒸気量とは
コップに水を入れて部屋に置いておくと、誰も飲んでいないはずなのに、
コップの水は徐々に減っていきます。
これは、水が自然と空気中に蒸発していくからです。
ところが、コップの口にラップでふたをすると、水はほとんど減りません。
これは、蒸発した水蒸気がコップの中にどんどんたまっていき、
それ以上水が蒸発しないように押さえつけているからです。
この時の水蒸気の圧力のことを、
飽和蒸気圧
といいます。
この飽和蒸気圧は、気温が高くなるほど大きくなります。
つまり、気温が高いほど、蒸発を止めるにはたくさんの水蒸気が必要だということです。
この飽和蒸気圧を、空気 \(1m^3\) あたりに存在できる水蒸気の質量で表したものが、飽和水蒸気量だということです。
飽和水蒸気量の計算問題
次に、飽和水蒸気量や湿度の計算での求め方について解説していきます。
以下、埼玉県の公立高校の入試問題(平成28年度)の大問2を使いながら話を進めます。
埼玉県公立高校入試(平成28年度)大問2の問2
まず問2ですが、
図3を見て、
ア … 10時
イ … 14時
ウ … 18時
エ … 22時
の中で空気 \(1m^3\) 中に含まれる水蒸気量が最も少ない時刻はどれか?
という問題です。
飽和水蒸気量の計算では、まず湿度の公式を書きだすことが第一歩となります。
以下の公式は必ず書けるようにしておいてください。
$$ 湿度[\%] = \frac{空気1m^3中に含まれる水蒸気量[g]}{飽和水蒸気量[g/m^3]} \times 100$$
ここで、公式を覚える時のコツですが、
飽和水蒸気量 → コップの容積
空気 \(1m^3\) 中に含まれる水蒸気量 → コップの中に入っている水の量
湿度 → コップの中に水が入っている割合
というイメージでとらえるとよいです。
要は、「コップの半分まで水が入っていたら湿度50%」と考えるわけです。
また、公式は以下のてんとう虫の図を利用して覚えると簡単です。
さて、この図の「水」の部分を隠してみましょう。
すると、空気 \(1m^3\) 中に含まれる水蒸気量は、
$$ 飽和水蒸気量[g/m^3] \times 湿度[\%] $$
という式で求められることが分かります。
すなわち、
飽和水蒸気量が低く(気温が低く)、
湿度も低い、
時刻が、空気 \(1m^3\) 中に含まれる水蒸気量が最も少なくなるということです。
図3の中で、気温と湿度のどちらも低い水準にあるのは22時なので、
答えは「エ」となります。
埼玉県公立高校入試(平成28年度)大問2の問3
次に、問3ですが、
表2と図3を用いて整数で答えなさい。
という問題です。
まず、図3の12時を見ると、気温が19℃で湿度が45%であることがグラフから読み取れます。
次に表2より、気温が19℃の時の飽和水蒸気量を確認すると \(16.3[g/m^3]\) となっていますから、
先ほどのてんとう虫の図より、空気 \(1m^3\) 中の水蒸気量は、
$$ 16.3 \times 0.45 = 7.335[g] $$
であることが分かります。
コップの表面に水滴がつき始めたということは、コップ表面の気温が露点に達した(=飽和水蒸気量と空気中の水蒸気量が等しくなった)
ということですから、表2より、飽和水蒸気量が7.335[g]となる気温は、
6℃
となります。
まとめ
飽和水蒸気量とは何か、また、湿度の公式から空気中の水蒸気量を計算で求める方法について理解できましたか?
中学生の頃、私も初めは湿度の計算がさっぱり分からなかったのですが、
コップに入っている水をイメージすると、すんなり理解できるようになりました。
また、てんとう虫の図は飽和水蒸気量だけでなく、オームの法則や食塩水の濃度の計算にも利用できますから、
ここで使い方をしっかり身につけておきましょう!
それでは、お勉強頑張ってください。
どうも、ありがとうございました!