前回の記事では、
・人工知能とはどのようなものか?
・人工知能を利用するメリットと危険性
についてお話しました。
その中で、
「AIに仕事を奪われる」
といった危険性について触れたのですが、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の研究によれば、
「今後10~20年程度で、今ある仕事の47%が機械に置き換えられる」
そうです。
しかし、具体的にどのような仕事がAIと入れ替わるのでしょうか?
今回は、人工知能によってなくなる仕事、残る仕事について解説していきたいと思います。
人工知能でなくなる仕事、残る仕事。もう人間はいらないのか?(1)
人工知能でなくなる仕事
小売店の販売員やレジ打ち
近年、スーパーマーケットなどでセルフレジの導入が進んでいます。
また、レジを必要としないネットショップでの買い物も一般的になってきました。
こうしたことから、小売店の販売員やレジ係などの仕事は、徐々に減少していくと考えられます。
とは言っても、セルフレジの使い方が分からない人が多いためか、
そばに店員さんが控えているケースも多かったりするのですが…。(^^;
トラックやバス・タクシーの運転手
現在、自動車メーカー各社が自動運転車の開発を進めています。
東京では、世界初となる、客を乗せたタクシーを公道で走らせる実験も始まりました。
自動運転車は、道路情報が詰まった3次元の地図をもとに、AI(人工知能)が
カメラやセンサーを用いて周囲の状況を判断しながら車を走らせる仕組みです。
北米では、自動運転車による死亡事故が発生しており、まだまだ安全性に課題はありますが、
将来的に、トラックやバス・タクシーの運転手という仕事は減少していきそうです。
コールセンターのオペレーター
コールセンターは、クレーム対応のストレスが大きく、離職率が極めて高い職種です。
その結果、経験の浅いオペレーターに頼らざるを得なくなり、AHT(平均処理時間)が長くなる傾向がありました。
これを解消するため、近年、人工知能によってオペレーターを支援する技術が登場してきています。
問い合わせの初期の段階で、IVR(自動音声応答装置)*1が対応をすることは一般的になりましたし、
AIがチャットで回答を返すシステムもあります。よくある質問などは、この段階で解決することも多いです。
また、人工知能が顧客の会話内容を分析し、適切な回答を画面上に表示することで、
新人であってもベテランに近い対応をすることが可能になってきています。
こうしたAIを活用したシステムにより、オペレーターは徐々に機械に置き換わっていくことでしょう。
*1 IVR … 「~の場合は”1″を」と自動音声が案内する装置。
一般事務、秘書、受付・案内
データ入力・分析、受付・案内といった業務が機械によって行われるようになっています。
証券・不動産ブローカー、融資・審査担当、ファンドマネージャー
これら金融商品の販売・審査・売買は、コンピューターが担うようになるでしょう。
セールスマン、生保レディ
人工知能が訪問販売をするわけではなく、ネットショッピングや機械による販売が増加するという意味です。
清掃員
家庭用としては、「ルンバ」のような掃除ロボットがすでに販売されていますね。
ビル・駐車場管理人、警備員
海外では、水道管にセンサーを設置することで、水漏れをチェックしています。
また、街中に防犯カメラやセンサーが張り巡らされれば、警備員や警察官の数も減らせるかもしれません。
測量士、工場労働者、機械オペレーター
工場での単純作業はロボットに置き換わり、無人工場も出てきます。
また、機械の操作や管理を機械が行うようになり、オペレーターの仕事は少なくなりそうです。
まとめ
長くなってしまったので、「人工知能が発達しても残る仕事」については、
次回の記事で解説したいと思います。
AIに奪われる仕事を見てみると、単純作業やルーチンワークが主なものになっています。
専門家によれば、人間にしかできないような新しい発想や価値を生まない仕事は、
ロボットに置き換わる可能性があるそうです。
私達が日々の業務にあたる際も、「何か改善や工夫ができないか?」という視点を忘れず、
自分が機械に置き換えられないよう、気をつけていきたいものです。
それでは、続編でまたお会いしましょう。
ありがとうございました!