7月7日は七夕ですね。
七夕伝説では、織姫と彦星(牽牛)の一年に一度の出会いのために、
カササギという鳥が天の川に橋を架けます。
この橋は「鵲の橋(かささぎのはし)」と呼ばれ、俳句の季語にもなっています。
今回は、このカササギがどんな鳥なのか、その鳴き声や生息地も含めてご紹介いたします。
昔に鳥で「カササギ」
カササギは漢字で「鵲」と書きます。
「昔」に「鳥」と書いて読み方は「かささぎ」ですね。
英語では「magpie」です。
カラス科の留鳥(1年中日本にいる鳥)で、体長は45cmぐらいなので、
カラスとハトの間ぐらいの大きさです。
外見もカラスに似ていて真っ黒ですが、お腹の辺りが白く、
背中側の羽は白・黒・青緑に分かれており、飛ぶ姿の美しい鳥です。
カササギの鳴き声
百聞は一見にしかず。
まずは、実際にカササギの鳴き声を聴いてみましょう。
このように、カササギは「カチカチ」と鳴くので、別名「カチガラス」と呼ばれています。
(個人的には「カチカチ」ではなく、「クェクェ」に聞こえますが…)
カササギは、10月下旬から3月中旬にかけて、8m以上の樹木に木の枝や藁を用いて直径60cm~1mぐらいの球状の巣を作ります。
しかし、近年は緑が減少していることから、この動画の 0:35 にあるように、
電柱に巣を作る個体が増えているそうです。
巣ができるとメスはすぐに薄緑色の卵を6~7個産みます。
カササギは番(つがい)や巣立ち前の雛と一緒に少数のグループで暮らします。
カササギの生息地
カササギはヨーロッパから中央アジア、中国、韓国と世界に幅広く分布していますが、
日本の中では、有明海周辺の長崎・佐賀・福岡・熊本の4県を中心に、
北海道の苫小牧市(とまこまいし)の街中でも目撃されています。
カササギはもともと日本に生息していなかった外来種で、
中国やロシアの貨物船によって国内に持ち込まれたと考えられています。
かつては、ごく限られた地域にしか見られなかったため、1923年、
佐賀県と福岡県の生息地が国から天然記念物に指定され、
1965年には佐賀県の県鳥にも定められました。
読者の中には、
「カササギをペットとして飼いたい!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、カササギは狩猟鳥獣ではありませんので、許可なく捕獲することができませんし、
2011年に環境省が野鳥の愛玩飼養(ペットとして飼うこと)のための捕獲は原則として許可しない方針を示しましたので、
野生の鳥をペットにすることはできなくなりました。
カササギの知能・習性
カササギは雑食性で、昆虫や木の実、穀類などが餌になります。
普段は枯草の下の虫やカキなどの果物を食べているようです。
カササギの知能は高く、鳥類の中では比較的大きな脳を持ち、
哺乳類以外で初めてミラーテストをクリアしています。
ミラーテストとは、鏡に映った像が自分であると認識しているかどうかを調べるテストです。
カササギの体の中で、鏡を使わなければ見えない場所に色付きのステッカーを貼り、鏡の前に立たせると、
カササギはその部位を掻いたり、地面にこすりつけたりしてステッカーをはがそうとするのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
七夕伝説に登場するカササギとはどのような鳥なのか、ご理解いただけたかと思います。
中国ではカササギのことを「喜鵲」と呼び、その鳴き声を聞いたり、姿を見たりすると、
良いことが起こる前触れと考えられ、広く人々から愛されています。
この記事を読んでくださった読者にも、幸せがたくさん訪れますように。
どうも、ありがとうございました!